2011年3月18日金曜日

不安募らせる視聴覚障害者 情報提供の方法に留意を

47NEWSより転載)

震災時に情報が伝わらないことで、不安を募らせたり、避難が遅れたりする視聴覚障害者は少なくない。専門家らは「避難所などでは、障害者への情報提供の方法などに留意してほしい」と呼び掛けている。

「人と防災未来センター」(神戸市)主任研究員の石川永子さんによると、目が見えない人の場合、周囲の状況が分かりにくいことなどから、体育館など避難所の広い空間の中央にいるととても強い恐怖を感じる。「目が見えない人は、入り口の壁の近くが安心して過ごしやすいので、配慮してほしい」

周囲の人が移動をサポートする場合は「1メートル先に階段が2段あります」というように、目で見える情報を具体的に、実況中継するように伝えると良い。

耳が聞こえない人の場合、周囲の人が障害に気付きにくい。声や音に対する反応が変だと感じたら、筆談でコミュニケーションを取ってみる。

全日本ろうあ連盟(東京)の担当者も「避難所で『障害者の方の受付』『手話通訳がいます』と文字で示し、障害者の人が自分から名乗り出られるように工夫を」とアドバイス。本部や受付など“情報発信地”の近くにいてもらい、音声情報は近くの人が紙に書いて伝えたり、壁に張り出したりして確実に伝えるよう心掛ける。

過去の災害では、防災無線で呼び掛けられた避難の情報が、聴覚障害者には伝わらなかったケースもある。同連盟の担当者は、余震などに備え「周囲の人は、情報が伝わりにくい人がいることを意識してサポートをしてほしい」としている。

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